Common’s Sense
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企業は「新しい時代の空気」を持ってきてくれる新人が欲しい
庄子 隆
第3回では、働き方に対する自分自身のビジョンを明確にした上で、働き方に関して気になることは説明会などで積極的に質問すべきだということを学びました。第4回は、説明会で働き方に関する疑問や不安を解消し、いざエントリー・面接といったステップに立ったときに大切なことは何か?ということがテーマです。(取材・文/古川紗帆)
― エントリーシートや面接において重要なポイントはどういったことなのでしょうか。
立場を変えてみるっていうのが大事。「自分がその会社人事担当者だったら、どういう人が欲しいだろうか?」と。学生は「こういうアピールは良い」「こういうアピールは良くない」とかいろいろ言われているんだろうけど。
― 「自己PR攻略法!」というような、就活のマニュアル本やネット記事がたくさんあるますよね。
そういう情報はあるけど、「企業から見たら、どういう学生が欲しいんだろう?」ということを考えることがやっぱり大事だと思う。この視点は就職活動だけでなく、会社に入ってからも活きてくるんだよね。「お客様に喜ばれる良いものは何だろう?」と、相手の目線に立って考えていくわけだから。
― 企業が求める人物像がどのようなものか、具体的にはどのように考えれば見えてくるのでしょうか。
一般的に企業というのは、お客様に喜ばれる商品やサービスを生み出して、売り上げや利益を増やしたいと思うわけだから、そういうことができる人が欲しいのだろう、とまずは考えられるよね。
― お客様を喜ばせることができて、会社に貢献できそうな人、ということでしょうか。
僕も長く人事をやっていたんだけど、新人が入ってきたときに何を見るかっていうと、新しい時代の空気を持ってきてくれるかどうか。社会や、お客様の望むものは絶えず変わっていくもので、それに対して企業もどんどん変わっていかなければならない。でも、おじさん・おばさん社員が変わっていくのは難しいから、新人を入れて変えていく、発展していく。しかも、長く会社にいると自分の会社の技術力・開発力についてはよく分かるんだけど、お客様のことっていうのは意外と分からなくなる。だから、お客様が新しく感じている何かと、会社が持っている資源とを、通訳できる人が欲しいんだよ。
― 就活生はお客様に近い立場だからこそ、新たなニーズを汲み取れるんですね。
近い感覚を持っているよね。それは非常に大事なこと。その感覚や、新しい時代の空気や雰囲気とか、今までとは違う何かを持っている人が欲しがられる。単に労働力やバイタリティとしてではなく、「この人を入れたら何か変えてくれるだろう」という人を企業は求めいる。世の中に対する鋭い見方を持っている人は「おっ、面白いな」と人事担当者も思うよね。
― 自分なりの、世の中に対する見方・考え方を持っていることが重要になってくるということでしょうか。
アルバイトやサークルでの活動をアピールする中でも、今言ったような鋭い見方が入っていると良いよね。