Common’s Sense
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社会の一員として、「働く」ということ
庄子 隆
第1回では、職種や勤務地については会社の指示に従う総合職という働き方は特に「就職」ではなく「就社」であると言え、またその他に職種や勤務地の限定がある一般職や地域限定職などの働き方もあり、雇用形態によって多様な働き方が存在するということを学びました。今回は、ではそもそも「働く」とは何か?ということがテーマです。
(取材・文/古川紗帆)
― どの会社で働くかということを考える前に、自分がどのような働き方をしたいのかを学生のうちに考える必要がありますね。
そしてそれを考える以前に、「働く」って何なのだろう?という疑問がきっとあるよね。
― そうですね。庄子さんにとっての、「働く」とは何かという定義のようなものはありますか?
色々考え方があって色々な働き方があるけれども、基本的な原則としてはやはり、我々は社会の一員であるということが大前提としてあるわけで。社会の一員として、社会が必要とするものやサービスを創り出して、その対価を得て生活していくということ、これが働くということの基本であり、意義なのだと思う。
― なるほど。社会の一員として貢献して、その対価を得るのだと。
学生のうちは、アルバイトなどで自分も社会を支えているつもりかもしれないけれども、親などから援助を受けている人が大半なわけで、経済的な意味ではやはり社会から恩恵を受けて生活していると言える。その学生から社会人になるということは、社会を支える側に回るということなんだ。その中から対価を得て、自分の生活をしていく。これが一番の基本だよね。
― 社会から恩恵を受ける側の人間だった学生が、社会を支える側の人間になるということ、それが社会人になるということなのですね。
ではその社会を支えるためにどのような働き方をするかということは個人の自由だし、人それぞれ違うはず。いろんな働き方、いろんな社会に対する役立ち方があったっていいと思う。だけど、どんな働き方をするにせよ、働くことの基本は、社会を支えるということなのだよね。