Common’s Sense
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センター試験問題は、選択肢の格助詞にマークせよ
播摩 光寿
日本の古典研究の第一人者であり、大学や予備校、カルチャースクールなどで教鞭をとられている播摩先生。
前回は古文の勉強法についてお話を伺いました。今回はセンター試験についてお聞きします。
(取材・文/古川紗帆)
―引き続き、古文の読み解き方について具体的にお聞きしていこうと思います。
じゃあ、僕から質問させてもらうけど、古文の内容をしっかり摑まえるには、どうすればいいか分かる?
―うーん、現代語で使わないような単語や助詞の意味を知っていることでしょうか?
単語じゃなくて、まずは主語と述語をしっかりと捉えることが大切。単語に関して言うと、単語で区切ることは大事かな。単語ごとに切ったら、現代語と何が違うか、足りないものは何かが分かるから。単語の意味は、文の構造を掴んだら大体想像つくじゃない?予習の段階で片っ端から辞書を引く必要はないんだよ。
―なるほど。主語と述語さえ掴めば、文の構造を掴んだも同然ですよね。
そう。主語、述語、目的語、補語っていう、文の基本的な構造を意識するようにすれば、それだけで理解できるわけ。それが実は、助詞を補うっていうこととイコールでもある。
―今使っている日本語の形に当てはめて考えるだけでいい、ということいですね。
そうそう、それでいいんだよ。だって古語は日本語だもん。実はこの考え方は、センター試験の解き方にもかかわってくるんだ。
―センター試験の解き方!高校生必見ですね。ぜひ教えてください。
あんなの、決められた時間内で全部読んだら大変じゃない。だから、まずは現代語の選択肢を読んで、格助詞にマークする。そうすると、変な選択肢が見えてくる。もし名詞の下に「に」を補っていたら間違いだ。
―先ほど、「に」は補えないっておっしゃっていましたね。(※第3回参照)
そう。間違った選択肢をまず排除して、出された文章の全部を読もうとしないこと。どんなに古文が得意だと思っていても、初めて見る文章をそんなにスーッと理解できるわけがない。さらに言えば、傍線部になると読めなくなるだろ?
―そうですね、どう読めばいいか迷うようなところを突いてくるというか。
逆に、出題者がどうしてそこを聞いてくるかっていうと、「主語をちゃんと掴まえなさいよ」「述語は何ですか」と聞いているのと同じわけ。難しく考えないで、文の構造を掴まえればいいんだ。