Common’s Sense
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光の世界 ~光とは何か?~
雀部 博之
光と科学。文系学部に通う私には、2つがどうつながるのかイメージできませんでした。
光と一口に言っても、太陽の光、蛍光灯の光、スマホの光・・・。私たちのまわりは光であふれています。では皆さん、その光は何で出来ているか知っていますか?いつも私たちを照らしてくれる光にスポットライトをあてて、光の世界をご案内します。
(取材・文/小嶋和)
― 先生のご専門は光科学と伺いました。どのような研究をされているのですか?
ただ単に光を研究すると言ってもいろいろな種類があります。
①光を作り出す(発光)
②光を伝える(光伝送)
③光による情報処理
④光による表示(ディスプレイ)
学生には、まずこの4項目を教えるようにしています。そして、その応用として光とセンサ、医療と光科学を研究しています。
― 私たちの身の回りにある光について教えてください。
光は波に例えられます。正確には波の性質と粒子の性質があるのですが、ここでは波として見てみましょう。
1秒間に1度波打つことを1Hz(ヘルツ)といいます。「Hz」とは周波数の単位で、
ラジオは100キロHz、テレビは100メガHz、これはラジオの1000倍に当たります。光の場合は周波数がとても大きくテラHz(1テラは1012)のオーダーとなってしまうので、周波数よりはその逆数に比例する波長で表すことが一般的です。周波数が大きくなる(波長が短くなる)と目へのダメージが大きくなるんですよ。
最近よく聞くブルーライト、これは700テラHz(430ナノメートル)なので、確かに目には良くなさそうですね。
― 波というと、音波という言葉があるように音も波に例えられますね。
そうですね、音は縦波で、密度が関係しています。圧力と同じような構造であり、鼓膜を揺らすことで音を感じるのです。それに対して光は横波で、その波長によって色が決まります。つまり、我々の目は光の波長を見ているということですね。
例えば、電球は真空にしたガラス球の中にフィラメントがあり、それが熱せられると発光するという仕組みです。また、赤外線ヒーターの中にはコイルがあり、それをどんどん温めていくことで赤黒い色から白色へと変わっていくのです。つまり、熱さ(温度)に応じて光の色が変わるということですね。
光の三原色には赤色、緑色、青色があり、絵具であればこの三色を混ぜると『黒色』になるのですが、光では『白色』になります。半導体で三色の波を出し、うまく混ぜて白色にしているのです。これが、我々がいつも目にしている電気の色になっているということです。